「速さ」に合わせる−−2018年世界選手権から見た卓球の進化(「アープ卓球通信」2018年6月号より)


<本格的な卓球>を目指して 第28回
「速さ」に合わせる−−2018年世界選手権から見た卓球の進化
山中教子

 

ますます「速く」なっていく世界の卓球

 

先日、2018年4月29日から5月6日まで、スウェーデンのハルムスタッドで第56回の世界選手権団体戦が行われ、日本の女子チームが3大会連続の銀メダルとなるなど、活躍を見せてくれました。

 

今回の世界選手権は連日、テレビで中継されていたのでご覧になった方も多いと思いますが、皆さんは、どのような印象を持たれたでしょうか。

 

私が今回の世界選手権のプレーから感じたのは「速さ」でした。

 

もちろん、卓球というスポーツにおいて「速さ」が重要なのは、当たり前のことです。しかし、ほんの10年ほど前、特に男子の卓球では、台から大きく離れてドライブを打ち合うスタイルが主流であり、今大会のような「速さ」はほとんど見られませんでした。

 

そのころと比べると、今大会の「速さ」は、非常に際立っていました。あまり台から大きく離れることなく、非常に早いテンポで、よくスピンのかかったボールを打ち合う。この数年、こうした速さと力強さを兼ね備えた卓球のスタイルは増えつつありましたが、今大会は、上位で活躍する選手のほとんどが、こうしたスタイルを確立していたように思います。

 

多くの選手が「速さ」への対応をするようになったのは、もしかすると、昨年のアジア選手権で、日本の平野美宇選手が中国選手に連勝したこともきっかけとなったのかもしれません。今大会は、優勝した中国選手はもちろんのこと、男女ともに、ほとんどすべての選手が「速さ」を大切にしていました。

 

そういう意味で、今回の世界選手権は、世界の卓球のスタイルが大きく変わる、ひとつの転機となるような大会だったと私は感じました。

 

なかでも、女子団体の決勝戦の一番手で見事、元世界ランキング1位の劉詩雯選手に勝利した伊藤美誠選手、男子団体で日本を破ったイングランドや韓国の選手たち、そして、さすがの強さを見せて優勝した中国選手たちは、こうした新しい時代の卓球の「速さ」に対して、見事な対応を見せていたと思います。

 

「打ち方」ではなく「スピードに合わせる」ことから入る

 

世界のトップレベルの選手たちと同じ「速さ」でプレーすることは、もちろん、選手ではない一般の方々には難しいことです。しかしその一方で、新しい時代の卓球の「速さ」に対して、選手たちがどう対応していたかを理解しておくことは、きっと皆さんの卓球の役に立つと私は思います。

 

特に、日本の伊藤美誠選手や張本智和選手、あるいはイングランドや韓国の男子選手たちが今大会において見せてくれた卓球から学べることは、非常に大きいと思います。

 

これらの選手たちのプレーは、優勝した中国選手たちと比べてほとんど遜色ないといっていいぐらい、新しい時代の「速さ」に対応していたと思いますが、そこに共通していたことは何だったのか。

 

それは……(続きは「アープ卓球通信」2018年6月号をご覧ください)

 

アープ卓球通信

 

※※

 

アープ卓球通信 2018年6月号 Vol.028
バウンドに合わせる

 

テキスト目次
【Lesson】バウンドに合わせる
DVDの練習に挑戦しよう!
(1)トップスピンロングサービスからフォアハンドスマッシュ
(2)フォア前フリックレシーブからトップスピンラリー
【Lecture】<本格的な卓球>を目指して 第28回
「速さ」に合わせる−–
2018年世界選手権から見た卓球の進化(山中教子)

 

DVD目次
【Lesson】 フォア前レシーブからのラリー
【Lecture】 (1)間合いと卓球
(2)2つのバウンド
(3)サービスの運動をバウンドに合わせる
(4)第2バウンドに気を合わせる

62分

 

こちらのYouTubeチャンネルにて、『実戦に強くなる! 「バウンドに合わせる」レシーブからの4球目練習(「アープ卓球通信」2018年6月号より)』を公開いたしました!

 

 

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<山中教子>
1963 年第27 回世界選手権団体優勝(プラハ大会)。1964・66 年全日
本選手権シングルス優勝。1967年第29 回世界選手権団体・混合複優勝
(ストックホルム大会)。1990年株式会社「球貴(TAKA)」設立。代
表取締役社長。1999 年グリップが手のひらに自然になじみ余分な力を入
れず、軽やかにパワフルに打てるように開発されたオリジナル卓球ラケッ
トである「テナリーラケット」(日本卓球(株)開発・販売。2000 年度グッ
ドデザイン賞受賞)を開発。2003 年2月、卓球の身体運動についての「ARP
(アープ)理論」を発表。以後、小学生から大学生、社会人、選手から一
般愛好家までを対象に、ARP理論を元に卓球や身体理論を指導している。

 

 

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