9つのテーマ「リラックス」
アープ理論の練習には、9つのテーマがあります。
9つのテーマとは、アクシス、流れ、リラックス、地面反力、リズム、打球点、空中打法、解放、バランスの9つです。9つのテーマはアープの三要素、軸(Axis)、リズム(Rhythm)、姿勢(Posture)に対応しています。
ここでは、リラックスというテーマについて取り上げてみます。
「リラックス」とは「気の持ちよう」ではない
「もっとリラックスして」とか「力が入っているから、ちょっとリラックスしようか」というアドバイスを受けた経験のない人は、おそらくおられないのではないでしょうか。でも、そういうとき皆さんは、「リラックス」という言葉をどのように理解されているでしょうか?
とにかく「力を抜く」ということだと考えている人や、「気持ちを楽にする」ことだと考えている人もおられると思います。
しかし、アープ理論では、「リラックス」をもっと具体的な状態、あるいは技術と捉えます。
リラックスとは技術である
アープ理論では、ボールがバウンドするリズムに合わせて軸に乗り、姿勢を崩さずに運動することによって、連続的な打球運動ができると考えます。
リラックスというのは、軸に真っすぐに乗って、きれいな姿勢で運動する瞬間に現れる身体と心の状態である、というのがアープ理論の捉え方です。
軸に乗る位置やタイミングがずれると、姿勢が崩れ、力みが出てしまいます。一方、ボールと運動がピタッと合ったときには、上半身の力は適度に抜け、気持ちにも余裕が生まれます。これが本当の「リラックス」なのです。
つまり、「リラックス」というのは気の持ちようや、無理に「力を抜こう」とすることによって得られるものではなく、ボールと運動を「合わせる」(調和させる)ことの結果として現れる、心身の状態であり、「技術」なのです。
リラックスの練習には「カット打ち」が最適
リラックスというテーマをきわめていくには、カット打ちはよい練習です。カットボールはスピードがない代わりに、タイミング、位置を合わせるのが難しく、リラックスができているかできていないかによって、安定性や打つ瞬間の心境に、はっきりとした違いが表れやすいからです。
皆さんもぜひ、リラックスというテーマをカット打ちで追求してみてください。